PREP法とは?面接での活用法と転職成功への道

PREP法とは?面接での活用法と転職成功への道

就職面接において、自分を明確かつ効果的に表現する方法は、すべての求職者が直面する課題です。PREP法は、コミュニケーションの枠組みとして簡潔で力強く、面接で言葉を整理し、自分の考えや価値を明確に伝えるのに役立ちます。面接の事前準備として、整理しておきましょう。 

1. PREP法とは何か?

PREP(結論先行原則)は、 意見を述べる際に、まず結論を述べ、次にデータに基づいて理由を説明し、 適切な例を挙げて印象を強化し、最後に主要なポイントを繰り返して完全な表現を行う構造化された表現方法です。  

PREP法は以下の四つのステップを含みます: 

    • Point(結論先行):まず自分の見解や立場を明確に述べます。 
    • Reason(理由提示):見解を支持する理由や論拠を提供します。 
    • Example(例示):具体例を挙げて理由を補強し、説得力を増します。 
    • Point(再度の結論):最後にもう一度主要な見解を強調し、情報の伝達を確実にします。 

♦ 面接でPREP法を活用するメリットについて

PREP法は面接において効果的です。『注意力曲線』に注目すると、話の冒頭と終盤で聞き手の関心が高まり、途中で得た情報は相対的に忘れられがちです。このため、PREP法は冒頭で主題を明確にし、結論で重要な情報を再度強調することで、聞き手にとって重要なポイントを最大限に印象づけるのに役立ちます

約1時間の限られた時間の中での面接において、各質問に対して明確に伝えたいことを回答することがコミュニケーションスキルとして良い印象を残すポイントとなります。経歴や実績が素晴らしいにも関わらず、話が長くなり、最終的に何が伝えたいのか分からなかったり、質問に対する回答がずれていると、面接後の評価に良い印象を与えることが難しくなります。

面接は限られた時間内でのコミュニケーションですので、特にPREP法を意識することで、明確かつ効果的にコミュニケーションをとることができ、好印象を残すことが可能です。

注意力曲線

Prep法 注意力曲線

♦ PREP法の活用例

Prep法は、面接だけでなく、様々なビジネスシナリオで有効です。私たちは仕事の日常で報告書を作成したり、確認事項を伝えたり、質問を行ったりしますが、PREP法を意識することで、端的かつ効果的に意思疎通するスキルを身につけることができます。普段のコミュニケーションにPREP法を取り入れ、より効果的なビジネスコミュニケーションを実践してみましょう。

ここでは普段の業務において、PREP法を適用したコミュニケーションの一例をご紹介いたします。

PREP法を使用しないコミュニケーション

あなた:お疲れ様です。急なのですが、顧客から仕様変更の依頼が届きまして、それに対応するために外部ベンダーからSEのサポートを依頼しないと間に合わないかもしれません。

上司:ああ、そうなんだね。それで、何が必要なんだい?

あなた:チームの開発者が来週2日間は休暇で不在のため、プロジェクト完了に向けてどのくらい工数がかかりそうかを確認してみます。

上司 : (何が伝えたかったのだろう。。)

PREP法を使用したコミュニケーション

あなた:顧客から仕様変更の依頼が届きまして、ベンダーに2名分のSEのサポートを追加依頼したいのですが、予算にまだ余裕はありますでしょうか?

あなた:仕様変更により、チームの開発者が来週2日間は休暇で不在となり、その期間にプロジェクトの進捗に影響が出る可能性があります。外部のSEがサポートできれば、工程の遅れを最小限に抑えることができます。

​​ あなた:前回のプロジェクトでは、似たような事態が発生しましたが、その時に外部のサポートを得ることで、プロジェクトの進行にスムーズさが加わり、最終的にはクライアントから好評をいただくことができました。

​​ あなた:したがって、2名のSEの追加サポートを予算内で実現できれば、プロジェクトの成功に大いに貢献できると考えています。ご検討いただけますでしょうか?

2. 面接におけるPREP法の活用事例

面接時にPREP法を活用することは、自己表現を明確にし、面接官に自身のスキルや経験を効果的に伝える手段となります。

♦ 自己PR

人事管理理論では、『過去の行動が未来の行動を予測する最良の基準である』とされています。選考において履歴書や職務経歴書の提出が求められるのも、過去の経験を判断要素として重視しているためです。

面接では、「なぜ自分がこの仕事に適していると思うのか」といった質問にしばしば遭遇します。この場合、PREP法を用いて、職務経歴書の客観的な経験を自分の能力、経験、潜在能力と結びつける必要があります。

結論:「私はプロダクトマネージャーの仕事に非常に適していると思います。」

理由:「理系出身として、論理と体験、データに非常に敏感であり、データ分析や市場調査においては5年の経験があります。これらのスキルを活かし、製品の成功に向けて計画と戦略を立てることができます。」

例示:「前職で、新製品の導入において市場の需要を的確に分析し、競合製品の強みと弱みを把握しました。その結果、製品の特徴を最大限に引き出すキャンペーンを展開し、売上を前年比で30%増加させました。……(ここで具体的な経験を引用)。」

結論:「したがって、論理的思考、体験への敏感さ、そしてデータに対する洞察力が、貴社のプロダクトマネージャーとしての仕事に活かせると思います。製品のライフサイクル全体にわたって戦略を立て、成功に導く経験を通じて、プロダクトの成長に貢献できる自信があります。」

このようにPREP法を意識することで、自分の専門能力を具体的に示すだけでなく、実際の経験を用いて自分の見解の説得力を強化することができます。 

♦ その他の事例

以下は、具体的に面接で使えるその他の事例を挙げています。

『自身の強みについてどのようにお考えですか?』

結論 : 「私の強みは、変化に適応する柔軟性です。」

理由 : 「特に、近年のデジタル化の進展により、組織内で個人のスキル向上がより一層重要視されるようになりました。私はこの変化に迅速に対応し、新しい情報やスキルを吸収することに熱心に取り組んでいます。」

例示 : 「最近携わったDXプロジェクトでは、業務の効率化とコスト削減が急務となりました。私はオンライン教材やウェビナーを積極的に活用し、DXに関する幅広い知識を素早く習得しました。これにより、チーム全体にその知識を共有し、さらに社外から得た有益な情報を取り入れることで、プロジェクトのパフォーマンス向上に効果的に貢献しました。」

結論 : 「この柔軟性と学習能力を通じて、変化する環境においてもスムーズに適応し、プロジェクトを成功に導くことができると自負しています。」

『チームメンバーや関係者との意見の不一致や対立が生じた場合、どのように対処するべきだと思いますか?』

結論 : 「私は、チームメンバーや関係者との意見の不一致や対立が生じた場合、感情的にならず、冷静に話し合い、双方の意見を尊重しながら、共通の目標を達成できる解決策を探すことが重要だと考えています。」

理由 : 「なぜなら、意見の不一致や対立は、チームワークの阻害や生産性の低下、人間関係の悪化など、さまざまなマイナスの影響を与える可能性があります。そのため、感情的にならず、冷静に話し合い、双方の意見を尊重しながら、共通の目標を達成できる解決策を探すことが重要です。」

例示 : 「例えば、営業部門と開発部門で、新製品の開発方針について意見が対立した場合、双方の意見を尊重しながら、どのような新製品を開発すれば、顧客のニーズを満たし、会社の利益につながるかを検討することが重要です。」

結論 : 「このように、チームメンバーや関係者との意見の不一致や対立が生じた場合、感情的にならず、冷静に話し合い、双方の意見を尊重しながら、共通の目標を達成できる解決策を探すことが重要だと考えています。」

このようなアプローチにより、強みや対立処理のスキルに対する考えだけでなく、適格な回答をすることでコミュニケーション能力や問題解決能力の高さを面接官に印象づけることができます。PREP法を意識することで、具体的で整然とした回答が生まれ、面接の成功に繋がります。

最終面接の焦点は、候補者の文化適合性、キャリアビジョン、コミュニケーションスキル、およびポジションへの潜在能力に置かれています。これらの要素を強調し、面接官の期待に応えるように準備しておくことが重要です。

3. PREP法とSTAR法の特徴と適用シナリオについて

面接準備では、PREP法の他にも、話の全体を伝えてから各部を説明するホールパート法や、STAR法などがあります。今回は、PREP法とSTAR法の2つの方法のそれぞれの特徴と適用シナリオについて解説します。 

♦ PREP法に適した面接質問

PREP法は、個人の意見や主張を表現する必要がある質問に適しています。以下のようなタイプの質問の際に意識すると良いでしょう。

  • 意見を問う質問:面接官が特定の論争のあるトピックについてのあなたの意見を尋ねた場合、「電気自動車についてどう思いますか?」など。
  • 予測を問う質問:面接で将来に対する予測について尋ねられる場合、「この業界の今後5年間の発展についてどう思いますか?」など。
  • 個人の価値観を問う質問:個人の価値観について尋ねられる場合、「あなたにとってリーダーシップの最も重要な要素は何だと思いますか?」など。
  • キャリアに関する質問:あなたのキャリアビジョンについて尋ねられる場合、「今後5年間のキャリアイメージについて教えてください。」など。

このような質問に答える際、前述したようにPREP法を用いることが有効で、求職者はまず自分の見解(Point)を述べ、その見解を支持する論理や理由(Reason)を提供し、次に具体的な例や経験(Example)を挙げ、最後に自分の見解を再確認(Point)します。

♦ STAR法に適した面接質問

一方でSTAR法は、具体的な行動面接の質問に答えるのにより適しています。このタイプの質問では、通常、求職者に過去の経験や行動を共有するよう求められます。以下のようなタイプの質問の際に意識すると良いでしょう。

  • 問題解決の経験を問う場合:「職場での難問をどのように解決したか説明してください」など。
  • チームワークの経験を問う場合:「チームプロジェクトで困難に遭遇し、それをどのように克服したかの例を挙げてください」など。
  • リーダーシップの経験を問う場合:「チームを率いて目標を達成した経験について話してください」など。
  • プレッシャーへの対応:「職場でプレッシャーに直面した時、通常どのように対処しますか?」など。

これらの過去の経験についての質問に答える際には、STAR法を用いて、求職者はまず状況(Situation)課題(Task)を説明し、次に自分の行動(Action)を詳細に述べ、最後に結果(Result)を示すことが有効でしょう。

以上で挙げた事例はあくまで、推奨事例ですので必ずしもPREP法やSTAR法にあてはめなければいけないというわけではありません。問題の性質に応じて対応し、質問が意見を求めている場合は結論ファーストを意識し過去の経験に基づいた質問の場合は具体的な状況を想像しやすいよう説明するということが重要です。実際の場面では、両方を組み合わせて使用し、PREP法で自分の見解と理由を表現した後に、STAR法でその見解を支持する具体的な例を示すこともできます。このような組み合わせは、特に見解を表明し、実際の経験で支持する必要がある複合型の質問に答える際に、より効果的です。

4. まとめ

今回は、面接におけるPREP法の活用法について解説しました。

PREP法は、面接といった限られた時間内で的確に伝えることが求められる場面において強力なツールです。この方法を用いることで、自分の考えを明確かつ論理的に表現するだけでなく、思考力とコミュニケーションスキルを同時にアピールすることが可能です。日常のコミュニケーションの場でもPREP法を意識的にトレーニングし、様々な状況に柔軟に対応する力を養っていきましょう。PREP法を面接に取り入れることで、どんな質問にも冷静にかつ的確に答え、面接官に強い印象を与えることができるようになります。

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監修:ターンポイントコンサルティングメディアチーム(監修:近藤 真太朗・Chung Han Yen)
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