ウーバーイーツ・ジャパン、自動運転ロボットによる配達を開始&日産、固体酸化物燃料電池をEV生産用に試験導入&三菱商事、カナダのリチウム鉱山に1800万米ドル投資

こちらのページでは、世界中の自動車およびモビリティ市場におけるトレンドのニューストピックを紹介いたします。

自動車業界の興味深いニュースを国内外問わず厳選し、内容を翻訳・要約して紹介していきます。業界の最新情報のキャッチアップの際にお役に立てましたら幸いです。

 

― 今週の3選  ―

Mar 6, 2024

1.ウーバーイーツ・ジャパン、自動運転ロボットによる配達を開始

ウーバーイーツジャパンは、人手不足の中、効率化を図るため、東京都内で配達用の自動運転ロボットの運用を開始した。現在、東京・日本橋の2店舗で稼働中で、今後拡大する計画もあり、ロボットは平日の午前10時から午後5時まで稼働する。ウーバーイーツの配達ロボットは、アプリで注文を確認すると店舗で注文された商品を回収し、指定された住所に配達する。

このロボットは、2022年の米国に続き、世界で2番目のウーバーイーツによるデリバリー自動化事業となる。ウーバーイーツ・ジャパンの中川慎太郎代表は、自動運転ロボットの段階的な統合を認め、「2024年問題」を含む人手不足の中での重要性を強調する。

カートケンが提供し、三菱電機が適合させたこのロボットは、自律的または遠隔操作で動作し、日本の交通法に基づく小型遠隔操作車の制限速度6キロをわずかに下回る時速5.4キロで走行する。ロボットは27リットルと20キログラムの容量があり、食品を適切な温度で顧客に届けるための断熱材を備えている。加えて、歩行者用歩道を移動するためにカメラを利用するが、自動的に撮影した映像内の人々の顔は、プライバシー保護のために自動的に隠される。

三菱電機は、将来的にはビル内での配送も視野に入れ、自律走行ロボットのイノベーションを進めていく。

Mar 8, 2024

2.日産、固体酸化物燃料電池をEV生産用に試験導入

日産自動車は、2050年までにカーボンニュートラルを目指して、バイオエタノールを燃料とする固体酸化物形燃料電池を試験的に導入している。この技術によって効率的な発電が可能となるため、日産の生産工場がすべて炭素中立化することを目指すことが可能となる。2030年までに発電規模を拡大するため、日本の栃木工場で試験が進行中だ。

日産の村田和彦副社長は、電動化とカーボンニュートラルのために固体酸化物形燃料電池のような技術革新に取り組んでいることを強調。

固体酸化物形燃料電池は、エタノール、天然ガス、LPガスなどの燃料から取り出した水素を酸素と反応させて発電する。日産のシステムは、他の燃料電池を上回る70%という高い発電効率を達成しており、スタック内の金属支持セルの進化により耐久性が向上し、起動時間の短縮や出力変動への迅速な対応が可能となり、再生可能エネルギーとの両立が期待される。

このシステムは、様々な気候や土壌タイプで栽培されるソルガム由来のバイオエタノールを利用する。ソルガムきびの茎はエタノール原料として利用され、穀物は食糧として利用されるため、食糧生産を損なうことなく持続可能性が確保される。茎の廃棄物はバイオマス発電に再利用できる。バイオエタノールを燃料とする固体酸化物燃料電池はCO2を排出するが、ソルガムきびの成長過程でCO2を吸収することで相殺され、カーボンニュートラルなサイクルを実現し、排出量を最小限に抑えることができる。

Nissan battery

画像©:Nissan

Mar 11, 2024

3. 三菱商事、カナダのリチウム鉱山に1800万米ドル投資

三菱商事は、電気自動車用電池の供給競争が激化する中、カナダでリチウム鉱山を開発するフロンティア・リチウム社との共同事業への投資を発表した。三菱はこのベンチャーに7.5%の株式を1,800万ドルで取得し、25%への増額オプションも付ける。オンタリオ州に鉱山と鉱物の加工工場を開発する予定。生産開始は2027年の予定で、年間2万トン(電気自動車30万台分)を目標としている。

世界的な経済の脱炭素化への取り組みが、リチウムなどの材料への需要急増につながっている。この背景には、日本とカナダが昨年9月に署名した重要鉱物の安定供給に関する覚書に調印したことがある。また、三井物産もEVバッテリーに使用される別の材料であるグラファイトを生産するために、ケベック州の鉱山開発企業に出資している。