2023年2月15日 自動車業界×コンサルティングファーム|コンサルタントの仕事内容や年収・転職方法を紹介
自動車業界は100年に1度の大変革期を迎えています。この不透明な潮流の中で自動車・モビリティ業界の新しい価値や未来を創り出すべく、コンサルティングのニーズが高まっています。
この記事では、コンサルティングファームの種類や自動車業界におけるコンサルティングの役割、コンサルタントに求められるスキルや資質を詳しく解説します。
あわせて、自動車業界のコンサルティングファームへの転職方法も紹介するので、コンサルタントに興味のある方はもちろん、コンサルタントって何?という方もぜひ参考にしてください。
コンサルティングファームとは?
コンサルティングとは、企業の抱えるさまざまな問題・課題に対して解決策を提供する業務のことを言います。そして、こうした企業の課題解決のサポートをメインビジネスとする企業のことをコンサルティングファームと呼びます。
企業がコンサルティングファームに解決を求める課題は、「事業戦略」や「業務オペレーション改革」、「システム導入」や「企業組織の変更」などさまざまです。
コンサルティングファームの種類・分類
一口にコンサルティングファームといっても、経営課題を総合的に扱うファームから、戦略・IT・人事・ファイナンスといった「業務分野に特化」したもの、製造・小売・医療など「業種に特化」したものまで多くのジャンルのファームがあります。
業務領域による主な分類は以下の通りです。
【業務領域別】のコンサルティングファーム
・総合系(あらゆる業種/産業のクライアントに対して幅広いサービスを提供)
・戦略系(経営/財務/事業などの戦略、中長期的な経営課題に関する分野)
・IT系(IT戦略立案や業務改革、システム導入支援など)
・組織人材系(採用/育成といった人事戦略や制度構築など)
・シンクタンク系(「経済調査」「ITコンサル」「マネジメントコンサル」の3部門がメイン)
近年ではこれら代表的な業務分類によるファーム以外にも、さまざまな「業種・業界特化型」の専門家プロフェッショナルファームが登場しています。
【業種・業界特化型】のコンサルティングファーム
・製造業型(グローバル競争への対応を求められる製造業をはじめとする業界への変革支援)
・リスクマネジメント特化(法規制対応や国際的に通用する認証取得などの支援に特化)
・Web特化(インターネットの有効活用のための戦略立案/実行支援に特化)
これら特化型のコンサルティングファームは、業界特有の知見やノウハウを有しているため、より深く入り込んだコンサルティングを提供できることが強みです。
自動車業界においてコンサルティングが求められる背景
電動化や自動化、コネクテッドやシェアリング・エコノミーの台頭などの先進技術の発達、そして環境規制などといった社会の変化により、昨今の自動車業界は新しいフェーズを迎えています。
新技術の登場は異業種からの参入を活発化させ、シェアリングの普及は関連サービス事業に変化を及ぼし、企業・産業の垣根を超えた共創・協業を進め、業界構造に大きな変化をもたらしています。
特に日系完成車メーカーや部品メーカーは企業・産業の垣根を超えた取り組みを苦手としてきた分、抱える問題・課題は相当なものであることが想像できます。
この自動車業界における激動期を乗り切るために、期待されているのがコンサルティングによる課題解決です。自動車・モビリティ業界に山積するさまざまな課題を専門として対応する「自動車業界に特化」したプロフェッショナルファームが次々と登場しています。
コンサルタントの仕事内容・年収
コンサルティングファームの種類や果たす役割を理解できたところで、ここからは具体的なコンサルタントの仕事内容を見ていきましょう。
コンサルタントの仕事内容
一般的に共通しているコンサルタントの仕事内容として、主に以下の4つが挙げられます。
【コンサルタントの仕事内容】
・クライアント企業の現状分析&課題の把握
・課題に関する情報収集
・課題解決のためのビジョン策定
・課題解決のための実行支援
(※コンサルティングファームによっては注力していないところもあります)
コンサルタントは皆同じ業務を果たすわけではありません。それぞれのコンサルタントはある分野に精通していて、それぞれの知識と経験を最大限に活かせる業務に関わります。
たとえば、経営課題を解決する「戦略系コンサルタント」や、ITエキスパートとして専門知識が不可欠な「IT系コンサルタント」などカテゴリーごとに細かくわかれています。
また、製造業界や医療業界などある業界・業種の知識や経験を強みにした「業界特化型のコンサルタント」などもいます。
コンサルタントの給与
コンサルティング業界の年収は、他の職種に比べて高い傾向にあり、20代・30代で年収1,000万円を実現することも可能です。
東洋経済オンラインが発表した「最新!「30歳年収」ランキング全国トップ500社」では、トップ15までに大手コンサルファームが3社(フロンティア・マネジメント、ベイカレント・コンサルティング、シグマクシス)もランクインしています。
なお、コンサルタントは年齢・性別に関係なく実力によって役職が決定され、役職ごとに年収が異なるシステムが一般的です。また、コンサルタントの種類や企業によっても異なり、年収のバラつきが大きく見られる点も特徴です。
自動車業界のコンサルタント
ここまで一般的なコンサルに関して理解を深めてきました。ここからは、自動車業界に的を絞ってより具体的に見ていきましょう。
「自動車業界」 向けコンサルティングとは?
自動車産業は最もグローバル化が進んだ産業のひとつです。また業界構造の変化など激動期を迎えていることもあり、昨今のコンサルティングテーマとしてとても盛んなテーマのひとつです。
自動車・モビリティ業界における主なコンサルティングの内容は以下のようなものが挙げられます。
【自動車業界の主なコンサルティング内容】
■競争力強化
―ブランディング、技術戦略、M&Aなど
■業界構造転換
―業界構造変化の先読みと対応戦略、アライアンス戦略など
■地域戦略/機能戦略
―渉外戦略、参入戦略、組織再編など
■新規事業/参入戦
―都市交通、異業種参入、ITなど
具体的には、自動車メーカーの販売戦略や海外進出、部品メーカーの業務改善やコスト削減、業種を超えた協働のための組織改革、また、電気自動車や自動化など新規事業に関するコンサルタントなど、さまざまなプロジェクトがあります。
自動車業界の代表的なコンサルティングファーム
自動車業界をメインまたは得意とするコンサルティングファームには、以下のようなファームがあります。
【代表的な自動車業界コンサルティングファーム】
■デロイトトーマツコンサルティング
■アビームコンサルティング
■アクセンチュア
■PwC
■三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)
■船井総合研究所 など
自動車業界のコンサルタントに必要なスキル・資格
自動車業界のコンサルタントに関わらず、コンサルタントになるために必要な資格はありません。
自動車業界のコンサルタントになるには、自動車・モビリティ関連の経験や知見は重要となります。しかし、昨今はクライアントの課題が複雑化しているため、自動車に閉じることなく、自動車の枠を超え貪欲に新たな知識を吸収していくことも重要です。
未経験でも転職は可能?
コンサルタントになるために必要な資格はないため、未経験でもコンサルタントに転職することは可能です。入社後の研修が充実しているファームも多いため、未経験でも比較的短い期間でスキルを身につけることができます。
未経験でも高い能力やポテンシャルなどが認められて採用されるケースは多くあり、実際に中途採用においては、半数以上が未経験者と言われています。
ただし、自動車業を含む多くの製造業系コンサルティングファームは、現場を知っているメーカー出身者を求める傾向があります。
というのも、クライアントであるメーカーが、現場の流れを理解していて課題について肌感を持って認識できるメーカー出身者で構成された製造業系ファームに信頼を置き、依頼する傾向が強いからです。
そういった意味で、メーカー出身者にとって製造業系のコンサルタントはキャリアチェンジでありながら、前職の経験を遺憾無く活かせる職業と言えるでしょう。
コンサルタントに向いている人
コンサルタント業に適性がある人とはどういう資質を持った人なのでしょうか?
以下の5点に注目して見ていきましょう。
【コンサルタントに必要な資質】
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- プロフェッショナルマインド
- 論理的思考力
- コミュニケーションスキル
- ポジティブ思考
- 体力
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プロフェッショナルマインド
当たり前のことですが、コンサルティングを依頼してくるクライアントは、問題や課題の解決を望んでいます。そのため、コンサルタントである以上、クライアントの目的を達成させることが使命です。
途中からクライアントの意見や方針が変化するなど、思いがけない障壁が出てくることは多々あります。そんな時でも、クライアントの成功のために、別の道を考えたり自分自身の知見を高めたりして現状を打破しようとするプロ意識が大事です。プロ意識を持ってクライアントの成功のために全力を尽くすことが良い結果へとつながります。
論理的思考力
論理的思考力(ロジカルシンキング)は、コンサルタントの基礎能力として必須条件と言えます。
コンサルタントの仕事は、データや情報を収集し、それら事実に基づいて筋道を立てて戦略を練ることに業務の根幹が支えられています。また、それらをクライアントに説明する際にも、説得力のある論理を用意する必要があります。
論理的思考力は、コンサルタントの採用試験においてもそのポテンシャルが重要視されています。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルもコンサルタントにとって重要な資質のひとつです。
コンサルタントには、クライアントの意図や要望を正確にくみ取ること、そして、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力が求められます。円滑なコミュニケーションでクライアントからの信頼を得られれば、施策の実行もスムーズに進みます。
また、コンサルタントは基本的にチームでプロジェクトを遂行します。そのため、チームメンバーとの信頼関係を構築しスムーズな連携をしていくうえでも、コミュニケーションスキルは重要です。
ポジティブ思考
コンサルタントはクライアントから受けるプレッシャーが高い職業です。クライアントとの意見の相違があったり、社内外問わず複雑な人間関係の渦中に置かれたりと、心理的に負担となる状況から避けられないこともしばしばあります。
これらストレスに晒される中で、その状況を「成長」という視点でポジティブに捉えて乗り越えられる力が必要です。
体力
コンサルタントの業務は、課題解決のための調査・分析、チームでの仮説検証、クライアントとの折衝などさまざまな業務があり仕事量も多くハードです。また、クライアントは出来る限り早く問題解決をしたいため、コンサルタントは夜遅くまで業務を行うこともあります。
もちろんこれが毎日続くわけではありませんが、コンサルタントにとって体力は重要なスキルと言えます。
自動車業界コンサルティングファームへ転職するには
昨今の日本のコンサルティング市場は拡大を続け、市場の拡大はコンサルタントの数の増加に直結しています。つまり、ここ数年、国内のコンサルタントの数は順調に増え続けており、未経験者に対する需要は高い状況が続くと予測されます。
そんな売り手市場のコンサル転職ではありますが、もちろん誰でも転職を成功させられるわけではありません。
転職活動に入る前には、事前に自分の転職の目的を定めることが重要です。そして、自分の経歴や資質を把握したうえで何が強みか、何が足りないかを客観的に把握すること。
あとは自分にあった会社を探し、選考対策をしっかりと進めることが、転職を成功に導きます。
また、転職活動をよりスムーズに進めるために、転職エージェントへの登録もおすすめです。コンサル転職に際して参考となる知識を持っている転職エージェントは強い味方となります。特に未経験からのコンサル転職を目指すのであれば、コンサル適正検査やケース面接など、コンサル転職向けの対策サポートは大きな助けとなるでしょう。
コンサル転職ならTurnpoint Consulting
Turnpoint Consultingは、モビリティ業界に特化した転職エージェントです。業界の最新動向や企業情報・ネットワークに精通しており、一般に公開されていない求人案件のご紹介からご転職状況や動機に合わせて個々のキャリア・ご希望に合わせたご提案をさせていただきます。
【Turnpoint Consultingを通してコンサルティングファームへ応募するメリット】
多くのエージェントではコンサルティング専門チームが別れていることが多く、コンサルに絞ってお勧めすることもありますが、Turnpoint Consultingではコンサルティングファームに絞ることなく、事業会社も受けながらキャリアの方向性を考えて進められます。
自動車や製造関連に強い人材になるためのサポートをさせて頂きます。
自動車に強いコンサルティングファームの人事と定期的にミーティングすることで強いコネクションや情報量を持っています。転職者の視点でしっかりと交渉し、志向性やビジョンに合わせて入社前に人事とも相談が可能です。
転職活動はあまりに多くの企業選考を受けると体力的にも疲れてしまい100%の力が発揮できないこともあります。弊社では転職者のペースに合わせて、どの企業から受けていくべきか、優先順位なども含めてサポートさせて頂きます。
コンサルティングファームを受ける上で書類選考は大きな選考ポイントです。採用担当者が見ているポイントに合わせて事前に書類の添削、また面接のサポートをさせていただきます。
最後に
100年に1度の大変革期を迎えている自動車業界において、コンサルティングの需要は高まりを見せています。それに伴い、コンサルタントを積極募集・採用している自動車業界向けのコンサルティングファームが増えています。自動車コンサルに興味のある方は、今が転職のチャンスです。
自身の転職の目的をしっかりと定め、転職エージェントと協力して転職活動を成功に導きましょう。