【転職×トレンドニュース】中国 v.s. EU?!②対中国関税上乗せ発表とその影響まとめ

こちらのページでは、世界中の自動車およびモビリティ市場におけるトレンドのニューストピックを紹介いたします。

自動車業界の興味深いニュースを国内外問わず厳選し、内容を翻訳・要約して紹介していきます。業界の最新情報のキャッチアップの際にお役に立てましたら幸いです。

 

Jul 4, 2024 By NHK

1.EU 中国から輸入のEVに暫定的に最大37.6%の関税上乗せへ

EUは中国製EVに対し、5日から暫定的に最大37.6%の追加関税を課すと発表した。これは当初発表された38.1%から若干引き下げられたものである。この措置は、中国政府からの不公正な補助金がヨーロッパの企業に損害を与える恐れがあるという判断に基づいている。

この追加関税は、既存の10%に上乗せされる形で適用される。暫定措置の期間は最大4か月間で、その後EU加盟国による投票で承認されれば、さらに5年間継続される可能性がある。

EUは中国側と実務者レベルの協議を行っており、今後も解決策を探るための話し合いを続ける方針である。一方で、この関税措置に反発している中国側がどのような対抗措置を取るかが注目されている。

July 3, 2024 by Nikkei Asia

2.BYD、タイ工場を開設へ EUが中国製EVに新関税を発動(原文タイトル:BYD to open Thai factory as new EU tariffs on China EVs kick in)

BYDはタイのラヨーン県に東南アジア初の工場を開設し、大幅な値下げを計画している。この工場は4億8600万ドルの投資を受け、年間15万台の生産能力を持ち、主に東南アジアとヨーロッパ向けに輸出される予定だ。

この開設は、EUが中国製EVに対して新たな関税を導入するタイミングと重なっている。EUは中国の自動車産業への補助金を不公平だと見なし対抗措置を取っているが、中国側はこれを否定している。

タイ市場では、中国メーカーが低い貿易障壁などを背景に急速にシェアを拡大している。BYDは2022年末時点でタイのEV市場の40%を占めていた。タイ政府はEVメーカーに対し、工場建設中は完成車や部品の輸入関税を軽減する優遇措置を提供している。

一方で、タイの自動車セクターは中国からの競争激化と、オーストラリアなどの輸出先での市場シェア低下を懸念している。オーストラリアは2025年に新しい車両効率基準を導入する予定で、これがタイの内燃機関車輸出に影響を与える可能性がある。

アナリストたちは、BYDの技術的リーダーシップと垂直統合能力が他社には容易に模倣できないとして、同社の販売量と市場シェアの成長に対して楽観的な見方を示している。

July 4, 2024 by CNBC

3.中国製EVにEUの関税が適用、Nioは欧州で値上げの可能性を指摘(原文タイトル:China-built EVs hit with EU tariffs; Nio says it may have to raise prices in Europe)

欧州連合(EU)は中国からのEV輸入に対する関税引き上げを正式に決定した。この決定により、一部の自動車メーカーは価格引き上げの可能性を警告している。

欧州委員会は、中国のEVメーカーが「不公平な」補助金を受けているとの結論に基づき、17.4%から37.6%の範囲で関税を課すことを確認した。この措置は、BYDなどの中国メーカーだけでなく、中国で生産する欧州ブランドやテスラにも影響を与える可能性がある。

中国のEVメーカーはこの決定に反発している。NioとXpengは現時点では価格を維持するとしているが、将来的な値上げの可能性を示唆している。テスラはすでにModel 3の欧州価格引き上げを示唆している。

この暫定的な関税は4か月間適用され、その後EU加盟国の投票により5年間の確定関税が決定される。中国と欧州の当局者は関税について協議を重ねており、中国側は「保護主義的行為」として批判している。

一方で、中国のEVメーカーは欧州市場への進出を継続する意向を示している。XpengとBYDは欧州での生産拠点設立を検討または計画しており、Nioも欧州市場へのコミットメントを表明している。

これらの動きは、中国メーカーの欧州市場での攻勢と、それに対する欧州側の対抗措置という構図を浮き彫りにしている。