トヨタ自動車は13日、認証不正を行った子会社のダイハツ工業の新社長にトヨタの中南米本部で本部長を務める井上雅宏氏が３月１日付で就任すると発表した。現在の奥平総一郎氏社長と松林淳会長は退任する。トヨタからは井上氏のほかトヨタ自動車九州の副社長などを務める桑田正規氏が副社長に就任するほか、カスタマーファースト推進本部の柳景子副本部長が非常勤の取締役に就任する。

ダイハツを巡っては昨年12月、公表済みだった側面衝突試験の不正に加えて新たな不正が発覚し、国内の全工場で生産停止に追い込まれた。トヨタは経営体制の刷新に加え、ダイハツの事業領域の見直しも行う。

トヨタの佐藤恒治社長は都内で開いた記者会見で、「不正問題の発覚当初はダイハツという企業の存続そのものが社会から認められないんじゃないか」とも考え、ダイハツのトヨタへの一体化を含めて検討したと振り返った。しかし、「ダイハツという企業が100年を超える歴史で守ってきたものを、やはりダイハツの本来の役割をもう一度お任せいただけないかという結論」に至ったと語った。

トヨタは、ダイハツの事業領域を軽自動車に軸を置いた会社とし、海外事業についてはトヨタとの間で分担の見直しを考えていくと述べた。

欧米の自動車メーカー各社は、中国製の安価な電気自動車（ＥＶ）との競争にさらされている。ＥＶ価格を化石燃料車並みに抑えるため、コスト削減の取り組みを強化している。これが業界幹部らが１５日に明らかにした内容である。

欧米のステランティスと仏ルノーは、より手ごろな価格のＥＶの開発を試みている。米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）とフォード・モーターは、ＥＶ生産コストの低下に寄与しそうな提携の可能性を探っているところだ。

安価なＥＶを生産するＢＹＤなどの中国メーカーは、欧州などへの輸出攻勢を加速。米メーカーは、中国企業がメキシコに工場を建設して米国にＥＶを輸出する可能性を懸念している。

ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者（ＣＥＯ）全てのメーカーがEVのコスト削減に注力しており、小型車の方が価格引き下げが容易であることを説明した。フォードのジム・ファーリーＣＥＯは、ＢＹＤに対抗できる低コストＥＶを設計するための特別チームを立ち上げたと述べた。ただ欧米メーカーは、投資家が求める利益を確保するため、まずコストを引き下げてからＥＶの価格を下げる必要がある。

ステランティスのカルロス・タバレスＣＥＯは利ざやの圧縮による即時のEV売り上げ増加は短期的な視点であり、電池の原材料コストが下がっていることからEVと化石燃料車の利ざやは収れんしつつあると述べ、この流れを加速させたい意向を示した。

Googleの親会社・Alphabetの自動運転車部門であるWaymoは、2台の自動運転車が同じトラックにほぼ同時に衝突したことを受け、自社の自動運転車ソフトウェアのリコールを発表した。Waymoは、衝突はトラックの動きを誤って予測した結果であると述べた。

この出来事の後、Waymoはソフトウェアを更新した後にすべての車両にインストールし、自主的なリコールを実施した。Waymoは自社のブログで、「この自主的なリコールは、技術を安全に展開し、透明性を持ってコミュニケーションを取る責任を真剣に受け止めていることを反映している」と述べた。

自動運転車は、テック業界によって人間のドライバーよりも安全である可能性があるとして推進されてきたが、自動運転車両は幾度と「エッジケース」とも呼ばれる異常な状況を含む事故に見舞われている。

同様の問題に関連して、General Motorsの自動運転子会社であるCruiseも、交通事故を機にソフトウェアのリコールを発表した。 Cruiseの件に関しては、事故後の情報開示を怠ったことを引き金に全国規模の車両テスト停止が決定し、その後も幹部の離脱、ソフトウェアのリコールを経て、車両の運行再開未定といった事態に陥っている。