ジュネーブモーターショーは、MG、ルノー、BYDなどの自動車メーカーを誘致し、2020年にCOVID-19によって中断された以来、５年ぶりに勢いを取り戻そうとしている。しかし業界関係者は、ショーの意義が低下しており、全盛期と比較して刺激的な車の展示が少なくなっているのではないかと指摘する。

MGは、急速な加速とクラシックモデルを彷彿とさせるノスタルジックなデザインが自慢の電気自動車サイバースターを初披露。ルノーは象徴的な先代モデルを彷彿とさせる5 EVを発表。電気自動車市場の主要プレーヤーとなったBYDは、高級ブランドのハイブリッドSUV「U8」とともに電気自動車SUV「Seal U」を発表。

ルノーのシーニックが「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、BYDのシールも最終選考に残り、大きな印象を残した。BYDの存在感は競争力のある低価格設定と高い車両機能により、欧州の自動車メーカーに危機感を与えている。

今回のショーでは参加自動車メーカーが減少し、主要自動車メーカーが数社しか出展となった。フェラーリやポルシェのような高級ブランドも欠席し、プレミアブランドの著しい減少も目立つ。自動車業界の力関係の変化を反映しているように見て取れる。

課題はあるものの、主催者側はジュネーブ・モーターショーへの関心を再燃させたいと考えている。

ホンダが新型燃料電池車（ＦＣＶ）「ＣＲ－Ｖ　ｅ：ＦＣＥＶ」を発表。ＦＣＶは長距離走行と迅速なチャージで知られるが、この車はプラグイン機能を備え、家庭や外出先で充電が可能となる。水素ステーションの不足に対する消費者の懸念に対応する。

この車両は、2024年の夏に国内で発売され、年末までに北米でも発売される予定。

かつてFCVは、水素を燃料として使用して運転中に二酸化炭素（CO2）を排出しないという点で「究極のエコカー」として大きな注目を集めたが、高価な車両と燃料、水素ステーションの不足などの課題がその普及を妨げていた。2022年時点で、FCVは世界の乗用車販売の0.02％未満。FCVの普及の停滞という課題を、ホンダの新しいFCVが克服するかどうかは現状では不明である。

政府は2030年までに1,000基の水素ステーションを設置することを目指しているが、2023年12月時点で稼働しているステーションはわずか161基。ホンダは、FCVにプラグイン機能を搭載することで水素ステーションの不足に対する懸念を軽減することを目指す。

ホンダは、一時撤退したＦＣＶ市場への再参入のためにゼネラルモーターズ（GM）と協力して新しい燃料電池システムを開発。このシステムは、クラリティと比較してコストを約三分の一削減し、耐久性を2倍に向上。車両の価格は現時点では未公表だが、ホンダは個人購入者にも手頃な価格で提供することを検討している。

インドは、タタ・グループやCGパワーなどの企業による3つの半導体工場の建設を許可し、電子製品の強国を目指して製造能力を拡大させている。

2026年までにインドの半導体市場は630億ドルに拡大する見通しであるが、製造施設は未整備。モディ首相は世界のチップメーカーを目指す意向を示し、政府は産業に100億ドルのインセンティブを提供する。工場建設は100日以内に始まる見込みで、防衛、自動車、通信などのセクター向けにチップを製造・パッケージングする予定。この決定は国家的な重要性があるが、他の重要なチップメーカーの動向には触れていない。

タタは台湾のパワーチップと提携し、インド初のチップ製造工場を設立。一方、CGパワーは日本のルネサスエレクトロニクスとタイのスターズマイクロエレクトロニクスと提携してチップパッケージング工場を建設する。さらに、タタセミコンダクターアセンブリテストPvt Ltdにより、アッサム州に第3のチップパッケージング工場が設立される予定。