リビアンがテスラのEV充電規格&ステランティスとフォックスコン半導体合弁会社&現代自動車EV投資

ここでは、世界中の自動車およびモビリティ市場におけるトレンドのニューストピックを紹介します。

自動車業界の興味深いニュースを3つ厳選し、この分野の最新動向をスピーディーに理解していただくために、情報を簡潔で分かりやすい形式で紹介していきます。海外メディア等からのニュースも取り上げて参ります。

― 今週の3選  ―

June 20, 2023

1.フォードやGMに続き、リビアンがテスラのEV充電規格を採用

カリフォルニア州アーバインに本社を置き、EVトラック・SUVを製造しているリビアンは、先日、競合テスラの充電規格を採用する計画を発表した。リビアンは、来春から米国とカナダにあるテスラの約12,000カ所の充電ステーションを利用できるようになる。

テスラとの合意に基づき、リビアンのR1TとR1Sのオーナーはテスラの充電ステーションに適合するアダプターを使用できるようになり、リビアンの将来のR1とR2車両の充電ポートは2025年からテスラの充電器に対応する。

これによりリビアンの充電網は劇的に拡大する見込み。この発表を受け、同社の株価は同日午前中に4%以上急上昇し、2ヶ月ぶりの高値15.52ドルをつけた。

現在、リビアンは北米の600カ所に3500台の急速充電器を設置しようとしている。これはリビアン・アドベンチャー・ネットワークと呼ばれるものだ。リビアンはまた、米国とカナダの各地に10,000基以上の高出力レベル2充電器を設置する計画だ。

今回のリビアンとテスラの合意は、プリウスでハイブリッドブームを牽引しながらもEVの導入に出遅れていたトヨタが次世代EV計画を発表し、同社の株価が11カ月ぶりの高値をつけてから1週間も経たないうちに実現した。ここ数週間、充電ネットワークをフォードとGMにも開放したテスラの株価は上昇を続け、昨年末に急

June 20, 2023

2.ステランティスとフォックスコン、自動車産業向け半導体の合弁会社を設立

ステランティスとフォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海科技集団)は、2026年から自動車産業向けの半導体を設計・販売するため、合弁会社「シリコンオート」を設立すると発表した。

台湾に本社を置くフォックスコン・テクノロジー・グループは、iPhoneの生産を請け負っており、シャープの親会社としても知られている。

生産する半導体は、ステランティスが開発中の自動運転向け新技術プラットフォーム「STLAブレイン」向けのほか、フォックスコンなどに供給する。

新合弁会社シリコンオートについて、両社は、「特に電気自動車(EV)で必要となるコンピューター制御機能・モジュール向け半導体を、自動車産業中心の供給源として顧客に提供すると述べた。

この取引は、ステランティスとフォックスコンが2021年12月に締結した自動車産業向け半導体の提携に関する予備的合意に続くもので、財務的な詳細は明らかにされていない。ステランティスは、フィアットやプジョーを含む様々な自動車ブランドを所有している。

新合弁会社は、ステランティスも本社を置くオランダを拠点とし、経営陣には両社の幹部が就任する。

これとは別に、両社は、コネクテッドカー向け車載システムの開発を手がける合弁会社「モバイル・ドライブ」もすでに設立している。

画像©:Reuters

June 20, 2023

3. 現代自動車、EV投資を280億ドルに増額 中国事業を縮小へ

現代自動車は、電気自動車(EV)販売を強化する戦略の一環として、電動化への年間平均投資額を3分の2近く大幅に引き上げ、今後10年間で280億ドルを投じると表明、苦戦している中国事業をさらに再編する方針を示した。

関連会社の起亜自動車と共に販売台数で世界第3位の自動車グループである韓国の自動車メーカーは、先日開催された年次投資家説明会で、EVの販売目標を2030年までに187万台から200万台に引き上げると発表した。

この目標を達成するため、同社は、優遇税制などを活用し、米国、欧州、韓国の3つの主要市場でEVの現地生産を強化する計画だ。最大の市場である米国では、現在0.7%しかないEVの現地生産比率を、2030年までに75%まで引き上げる方針。

現代自動車のチャン・ジェフン最高経営責任者(CEO)は、テスラが北米で推進している充電規格との互換性を高めることを検討すると述べた。

主要市場でのEV販売目標を引き上げる一方で、苦境にある中国事業をさらに再編し、収益性を重視すると述べた。

チャン氏は投資家に対し、世界最大の自動車市場である中国は、2016年までは非常に収益性が高かったが、現在は国内勢にシェアを奪われ、最大のリスクになっていると説明。2021年に中国工場を1つ売却し、昨年閉鎖した工場と今年閉鎖予定の工場を含め、さらに2つの工場を売却する計画。残りの2工場も合理化を進め、新興市場への輸出車両を生産する。

バッテリーの競争力強化と次世代バッテリー開発のため、今後10年間で9兆5000億ウォン(約74億ドル)を投資する計画も発表した。2030年までにEV事業で営業利益率10%以上を目指す。