【最新データで探る】バイク業界の今|電動化から中古車まで最新トレンドを解説
プラットフォーム/車両/モデルの開発・生産ライフサイクルは「プログラム」と呼ばれます。自動車メーカー(OEM)は、新しいプログラムを作成する際、完成車を構成するシステムや部品のほとんどを調達するために、サプライヤーとの協力は欠かせません。
プログラムマネージャーは、完成車メーカーにも部品メーカーにも存在しています。
自動車の製造には資材を調達する購買や、実現に向けて開発するエンジニア、いつまでに投入が必要か収益率はどのくらいに見込まれるかを検討する企画など、様々な部署が協力して時間、予算、仕様通りに製造されるよう確認していきます。プログラムマネージャーは一つ一つの歯車がうまく回るように、全体を管理しまとめる役割を果たします。
すべての人をまとめ、マスタースケジュールと予算を管理し、多くの点でプログラムの成功に責任を持ちます。製品開発の全領域と製造プロセスに精通している必要があり、問題が発生した場合の中心的存在となります。
日系部品メーカーにも、プログラムマネージャーというポジションが存在する企業もありますが、日系企業では営業担当者がプログラムマネージャーの役割を兼任していることも多くあります。外資系企業では、営業活動を行うアカウントマネージャーとプログラムマネージャーに分かれているため、日系の部品メーカーの営業職として予算・スケジュール調整等の業務を経験している方は、次のキャリアの選択肢として外資でのプログラムマネージャーを狙うことも可能です。
アカウントマネージャー・営業が獲得してきたRFQ(見積依頼書)が発行されると、プログラムマネージャーは生産開始(SOP)プラス6ヶ月まで一貫してプログラムに関わり、すべてがスムーズに進んでいることを確認します。万が一問題が発生したら、あるいは問題が発生する前に解決することが重要です。
デザインレビューのミーティングや、プロトタイピングのための生産チームとのミーティングにも参加します。また、材料や企画グループと協力して、納品が予定通りに行われるようにサプライチェーンを構築することもあります。
クライアントとのやり取りも多く、検証テストがうまくいっているかどうかを確認し、その進捗を経営陣に報告することもあります。
つまり、社内外の幅広いステークホルダーと関わり、プログラムの成功に責任を持つことになります。
完成車メーカー(OEM)と部品メーカーの関係性は、新しいモデルの開発・生産(プログラム)を進めるにあたり、非常に重要となります。
サプライヤーはプログラムに参加するために競争し、成功すれば、何千、何百万もの部品の長期契約を獲得することができます。
完成車メーカー(OEM)は部品の設計と仕様を提供し、サプライヤーは生産、品質保証、価格設定のあらゆる面を詳細に説明した包括的な入札を迅速に行わなければなりません。最終的に受注するまでに、数回の入札が行われることもあります。
OEMが設計をコントロールするため、競合するサプライヤーは差別化のためのオプションが限られています。サプライヤーは自社の能力、品質、評判を強調しますが、常にOEMが優位に立ち、競争は価格と条件に絞られることが多いのです。
リスクライフサイクルのこの段階では、プログラムはまだCADファイル(デザインの下書き)の中のデザインに過ぎず、開発、テスト、そして本格的な生産に入るまでの作業はまだ始まってもいません。
サプライヤーは、最も経験豊富なエンジニアを引き連れて入札書を作成しますが、コストとタイムスケールはすべて見積もりの段階です。サプライヤーの成功は、入札の正確さにかかっており、ミスは許されません。OEMは、サプライヤーが事前に合意した価格を守り、プログラムが軌道に乗らない場合は、重い罰則を科すこともあります。
主に完成車メーカー(OEM)から必要な部品の仕様を提供しますが、サプライヤー側から新しい革新的なシステムまたは部品を提案し、OEMが新しいモデルに組み込むこともあります。いずれにせよ、サプライヤーはシステムまたはコンポーネントの設計者と製造者の両方を兼ねることになります。
ビルド・トゥ・プリント契約と同様に、包括的な入札が行われますが、詳細な設計作業を許可するために予備発注が行われ、設計が承認されるとOEMから最終発注が行われます。
フルサービスのサプライヤーは、OEMの顧客とより密接な関係を持ち、多くの場合、より魅力的な利益プロファイルを持つプレミアム製品を供給することになります。しかし、フルサービス契約は、サプライヤーが負担するリスクの度合いが高いのも事実です。
例えば、部品の設計権限を持つサプライヤーは、設計が確定した後にエンジニアリングの変更を行う際に発生するすべてのコストに責任を持つ可能性があります。また、製品、システム、アセンブリ(組み込み)が複雑になればなるほど、社内や下流のサプライヤーとの間で問題が発生する機会も多くなります。
プログラムマネジメントは、プロジェクトマネジメントと混同されることがあります。自動車業界においては、企業の組織体制によってはプロジェクトマネージャーとプログラムマネージャーは同じ役割であるケースもあります。企業によって呼び方が異なると認識しておくのが良いでしょう。
また、車両の開発や生産ライフサイクルである「プログラム」に複数のプロジェクトが存在するケースもあります。その場合は、プログラムマネージャーはそれぞれのプロジェクトマネージャーとコミュニケーションを取り、プロジェクトとプログラムの進捗管理を行う必要があります。
プログラムマネージャーは基本的に外資系企業におけるポジションです。上記にも記載した通り日系企業では、営業担当がプログラムマネージャーの領域までカバーしているケースが多く見受けられます。
<プログラムマネージャーの年収レンジ>
企業の製品に関連するエンジニアの学位を持っていると、開発者だけでなくプログラムマネージャーなど幅広い職種に挑戦することが可能です。稀にエンジニアの学位を必要としないプログラムマネージャーの求人も存在しますが、担当する製品によって製品に関する知識や理解のための勉強をお勧めします。
以上のような職種を経て、プログラムマネージャーへとキャリアアップしていくことは多く受注から製造に至るまでには、幅広い領域の経験を積んでおくと業務をより効率的に遂行することができます。
Failure Mode and Effect Analysisの略で製造過程における潜在的なリスクから影響解析・致命度解析方法を指します。
1940年代に米軍によって始められた故障モード影響解析(FMEA)は、設計、製造・組立工程、製品・サービスにおいて起こり得るすべての故障を特定するための段階的なアプローチで。一般的な工程分析ツールである。
プロジェクトマネジメントの国際組織 PMI(Project Management Institute)が認定している国際資格試験の名称が、PMP(Project Management Professional)です。プロジェクトマネジメントに関する知識や経験を認定する資格です。日本でのPMP保有者数は2万人を超えていて、全世界では35万人を超えています。
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