中国系の外資系企業への転職ガイド| 特徴やリスク・転職方法を紹介

地理的に近く、文化交流も盛んな中国は、日本にとって身近な国のひとつ。近年は、グローバルに活躍する中国系企業が増え、日系企業とのビジネスはもちろん、日本へ進出する企業も増加しています。
そんな中、中国語を活かした仕事がしたい、勢いのある中国系企業で働きたい、と考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、中国系企業の特徴や中国系企業で働くことのメリットとデメリットを紹介するとともに、中国系企業への転職方法を紹介します。
中国系企業への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

中国系企業の特徴

中国は世界最大の人口を抱え、急速な経済成長により中産階級層が増加しています。これにより、消費市場が急速に成長しており、国内市場の拡大が企業の成長につながっています。
また、中国政府による企業支援策も企業の成長を後押ししています。たとえば、税制優遇や融資支援、補助金制度など。さまざまな施策が実施され、企業の成長に拍車をかけています。

こうした背景のもと、中国系企業は今後ますますの成長・発展が見込まれています。
成長企業で働くことで、新たなことへの挑戦や刺激、あるいは失敗や挫折など多くの経験を積むことができます。中国系企業でそうした経験を積み重ねることで、自己の成長へとつなげられるでしょう。

中国系企業への転職を目指すうえで、まず大切なことは、中国系企業の特徴や倫理観などについて理解することです。というのも、中国系企業には、日系企業とは異なる独自の企業文化や倫理観があるからです。
それでは、中国系企業の特徴を見ていきましょう。

成果主義・実力主義

中国系企業の多くでは、成果主義が色濃く見られます。日本の年功序列とは異なり、年齢や勤続年数に関係なく、成果に応じて評価を受けることができます。つまり、結果次第で給与アップや昇格を狙いやすい環境が整っていると言えます。

利益至上主義

全ての企業にとって、利益の確保は組織を継続し事業を発展させるために欠かせないものではありますが、中国系企業は、この部分を取り分け重視します。拝金主義の風潮も相まって、どんな方法であれ企業に利益をもたらした者に対して高く評価する傾向が強くあります。

フラットな人間関係

多くの中国系企業は、上司や部下などの立場に関係なく、フラットで風通しが良い環境にあります。事業のトップに直接意見を伝えられることも珍しくないため、仕事はスピード感をもって効率的に進められます。

明確な役割分担

多くの外資系企業に見られるように中国系企業も、職種による役割分担が明確にされています。日系企業に多いジョブローテーション(定期的に部署・職務異動を行うこと)とは異なり、それぞれが自分の専門性に特化した職務を遂行します。

中国系企業で働くメリット

日系企業とは特徴が大きく異なる中国系企業ですが、働くメリットはどこにあるのでしょうか。中国系企業で働くメリットを5つ紹介します。

<中国企業で働くメリット>

    1. 世界トップクラスの経済成長を体験できる
    2. 中国流のビジネスを学べる
    3. 国際経験を獲得できる
    4. 賃金水準が高い
    5. 将来性が高い

世界トップクラスの経済成長を体験できる

経済規模・成長率共に世界トップクラスの中国企業で働く、あるいはそうした企業を相手に仕事をすることで、よりスケールの大きな事業に携わることができます。また同時に、中国市場の成長を肌で感じられることは、貴重な体験となるでしょう。

中国流のビジネスを学べる

中国系のグローバル企業は、マーケティングやオペレーション、ローカライズなどさまざまな側面において独自の方法で成功をおさめています。中国企業の中でもグローバルに活躍している企業で働くことができれば、中国流のビジネススタイルや戦略を学ぶことができるでしょう。

国際経験を獲得できる

日本へ進出している中国系企業では、アジア諸国はもちろん欧米圏などさまざまなバックグラウンドを持つ人が働いています。そのため、さまざまな人・文化・価値観に触れながら働くことで、グローバルな感覚を磨くことができます。

賃金水準が高い

日本支社や日本法人を展開している中国系企業の多くは、グローバル市場で活躍する企業です。
そのため、日系企業と比べて高年収を期待できます。

なお、中国企業の給与形態は「基本給+インセンティブ」が一般的です。
前述の通り、中国系企業は成果主義の考え方をとる場合が多く、仕事での実績が成果として給与に反映されやすい仕組みです。求人情報などで基本給が低いと感じる場合は、インセンティブなどの成果報酬にも着目するといいでしょう。
インセンティブの割合が大きければ、成果次第で収入を増やすことが期待できます。

将来性が高い

成果主義の強い中国系企業で成果を出した場合、中国はもちろん、欧米圏の競合他社から引き抜かれる可能性もあります。経済成長が著しい中国は、世界からも注目されているマーケットの一つ。ビジネスレベルの中国語スキルがある人材は、世界中で求められています。

中国系企業に転職するリスク・デメリット

メリットもあればデメリットもあります。転職してから後悔しないためにも、ここで中国系企業に転職するリスクを確認しておきましょう。

労働環境の厳しさ

数ある中国系企業の中には、過重労働や長時間労働など労働環境に問題があるところもあります。入社後に後悔しないために、事前にしっかりと企業調査・情報収集することをおすすめします。

倫理観の相違

中国には日本とは異なる倫理観・企業文化があり、それらの違いがストレスになる可能性があります。
また、違いを理解していないことでコミュニケーションに失敗したり、ビジネスでトラブルに陥ったりするリスクもあります。日本とは異なった中国独特の慣習を理解し、馴染むことが重要です。

事業リスク

中国系企業は中国政府の情勢変動やビジネス環境の変化により、事業リスクが大きくなる場合があります。事業リスク発生の可能性があることも含めて、転職を考えることが大切です。

中国系の自動車関連企業

日本で知名度が高い中国系企業には、レノボ(Lenovo、聯想集団)やファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies Co. Ltd.)、百度(バイドゥ・Baidu)など多くの企業があります。
自動車関連の事業や技術を開発・提供している中国系企業も多数あるので、一部を紹介します。

完成車メーカー

▶︎3大新興メーカー

    • 蔚来汽車(NIO)
    • Xpeng(小鵬汽車)
    • Li Auto(理想汽車)

▶︎その他注目の新興メーカー

    • 比亜迪(BYD)
    • 百度(Baidu)
    • 上汽通用五菱汽車(Wuling)

▶︎歴史のある完成車メーカー

    • 第一汽車(FAW)
    • 上海汽車(SAIC)
    • 東風汽車(DFM)
    • 長安汽車(CHANGAN)
    • 浙江吉利控股集団(GEELY)
    • 長城汽車(Great Wall)
BYD HAN

参考:BYD 『HAN』

自動車技術開発企業

    • 京微海瑞恩 (Jingwei Hirain)
    • 德赛西威 (Desay SV)
    • 东软睿智 (Neusoft Reach)
    • 华为 (Huawei)
    • 百度 (Baidu)
    • 阿里巴巴 (Alibaba)
    • 腾讯 (Tencent)
    • Envision AESC
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中国系企業に転職する際のポイント

中国系企業への転職を考える際には、日系企業への転職活動とは異なる点に気を付ける必要があります。
ここで、中国系企業に転職する際に押さえておきたいポイントを確認しましょう。

文化や倫理観の違いを理解する

「中国企業の特徴」で紹介したように、中国企業と日系企業では仕事に対する倫理観が大きく異なります。それらの違いを把握しないことはリスクですが、違いを理解することは、転職活動においても仕事をする上でも大きな強みとなります。
中国系企業あるいは中国人の考え方を踏まえてコミュニケーションを行い、信頼関係を築くことで転職活動も仕事もスムーズに進められるでしょう。

語学力

一口に中国系企業といっても、業界や職種によって求められる語学力は異なります。ビジネスレベルの中国語が必須のケースもあれば、日常会話レベルの中国語ですら必要ないケースもあります。特に日本に進出している中国系企業の場合、日本語が堪能な社員も多く、求人の時点で中国語を必須スキルとしていない企業や職種も見受けられます。
そのため、語学力を最大限発揮したいという方はもちろん、中国語に不安があるという方にも、中国系企業で働くチャンスはあります。

なお、英語力について必須となるケースは多くはありません。ただし、英語スキルがあれば、グローバル企業に重宝されるなど選択肢は大きく広がります。

中国系企業に転職する方法

中国系企業に転職するには、「現地採用」・「海外駐在員」・「中国系企業の日本支社で働く」といった3つの選択肢があります。

「中国での現地採用」の場合は、求人は山ほどありますが、本格的な中国語スキルが必要です。また、給料などの労働条件は中国現地基準となるので、企業選びはより慎重に行う必要があります。

「海外駐在員」は、日本企業に所属しながら働く場所としては中国本土というものです。「中国系企業で働く」ということとは少し異なりますが、中国人や中国系企業を相手に仕事ができます。

「中国系企業の日本支社で働く」ということは、日本で生活しながら中国系の企業で働くスタイルです。既に述べたように、こうした企業では中国語力が必須では無いケースが多く、また、中国に移住する必要もありません。中国の現地で働くことに比べれば中国の実情を肌身で感じることは少ないかもしれませんが、中国系企業であることに違いはなく、その文化・特徴の中で働くことになります。

中国系外資企業の探し方

中国系企業の求人情報は、インターネットで検索できます。WEB上での求人公開や書類の提出が一般化しているため、日本国内からでも情報収集が可能です。
なお、中国語のスキルを活かせる仕事を探している方には、Xiaohongshuのビジネス向けプラットフォームを利用し、求人検索や様々な情報が収集できます。

モビリティ関連の中国企業をお探しの方は、Turnpoint Consulting株式会社にご相談ください。Turnpoint Consultingは、モビリティ業界に特化した人材紹介会社です。自動車・モビリティ業界における圧倒的な業界知識をもとに、求職者を丁寧にサポート。求職者のご希望と企業のニーズをマッチングさせて、求職者を理想の転職へと導きます。

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最後に

中国は地理的に近く、文化交流も盛んで、日本人にとって身近な国のひとつです。しかしながら、多くの中国系企業は、日系企業とは異なる独自の企業文化・倫理観を持っています。それら違いをメリットと捉えるかリスクととらえるかは人よります。
中国系企業への転職を考えるにあたって、まずは、自分の理想の働き方を明確にし、中国系企業の企業文化・倫理観と照らし合わせることが大切です。
中国系企業は自分に合っている、ぜひチャレンジしてみたい、そう思うのであれば、今、転職活動の一歩を踏み出し、中国系企業で理想の働き方を実現させてみてはいかがでしょうか。