【転職×トレンドニュース】JOEMとサプライヤーの挑戦!最新のEVバッテリー事情まとめ

こちらのページでは、世界中の自動車およびモビリティ市場におけるトレンドのニューストピックを紹介いたします。

自動車業界の興味深いニュースを国内外問わず厳選し、内容を翻訳・要約して紹介していきます。業界の最新情報のキャッチアップの際にお役に立てましたら幸いです。

 

July 12, 2024 by Nikkei Asia

1.日産とホンダ、2027年までに欧州でEVバッテリー・パスポートを取得(原文タイトル:Nissan, Honda eye EV battery passports in Europe by 2027)

日産、ホンダなど日本の自動車業界7社が、2027年までに電気自動車用バッテリーのデジタル追跡システム「バッテリーパスポート」の開発に乗り出した。これは、リサイクルを促進し中国依存を減らすことを目的としたEUの規制に対応するためである。

このシステムは、リサイクル可能な金属の量、原産地、生産履歴、バッテリーの劣化状態、残存価値などの情報にアクセスできるようにする。

2023年6月に採択されたEUの規制では、2027年までに使用済みバッテリーからのリチウムの50%をリサイクルすることが義務付けられている。

この規制は、バッテリー材料供給を中国に依存している状況を改善する狙いもある。中国は世界のリチウム加工・精製の65%を占めている。

米国も中国に対する制限を強化しており、バッテリーパスポートの導入を検討中だ。しかし、中国がEVバッテリー市場の約60%のシェアを持ち、サプライチェーンの多くを支配しているため、中国の協力なしでは完全なバッテリーデータの取得は困難かもしれない。

July 12, 2024 By Nikkei Asia

2.日本のAESC、スペインの10億ドル工場でより安価なEV用バッテリーを製造へ(原文タイトル:Japan’s AESC to make cheaper EV batteries at $1bn plant in Spain)

AESCグループは、2026年にスペインで新工場を稼働させ、リチウムイオン電池の安価な代替品の生産を開始する。10億ユーロ以上を投資し、電気自動車や電力貯蔵システム用のLFP(リチウム鉄リン酸塩)電池の需要を見込んでいる。

LFP電池は、ニッケルやコバルトなどの高価な材料を含まず、リチウムイオン電池と比べて20〜30%安価である。しかし、エネルギー密度が低く走行距離が短くなる。

この工場は、AESCの欧州初のLFP電池生産拠点となり、最大900人の雇用を創出する見込みだ。同社は既に中国でLFP電池を生産しており、米国でも生産を計画している。

中国のBYDやCATLがLFP電池開発をリードする中、トヨタやニッサンなど日本の自動車メーカーも技術開発に取り組んでいるが、走行距離の延長に苦戦している状況である。

July 17, 2024 by Bloomberg

3.スズキ、来年以降にEVを順次市場に投入-過剰なバッテリーは不要

スズキは2025年以降、EVを順次投入する方針を発表。少ないエネルギーで走る軽量な車台と小型バッテリーを組み合わせ、エネルギー効率の高いEVを開発する計画。

気候変動対策と規制強化により、中長期的にEV市場は拡大すると予測。日本とインドでもEVシフトが進むと見込まれ、スズキにとって競争力のあるEV開発が急務。

2030年度までに日本とインドで各6モデルのEV投入を計画。日本での軽商用EV発売は認証不正の影響で延期。
2035年の予測では、日本市場でHVが70%、EVが30%。インドではカーボンニュートラル燃料車、HV、EVが各3分の1になると予想。
スズキは当面HVが「ベストチョイス」とし、現在の12VマイルドHVから48Vスーパーエネチャージの開発を進める方針。