品質管理の仕事とは

自動車の製造における品質は消費者の安心に直結する非常に重要な役割を担っています。品質管理は、自動車を開発し、生産する工程における品質を様々な角度から分析し管理をしています。主に生産工程における品質管理と製品そのものの品質管理とに分かれています。

近年ではDXにより業務効率を図る動きが重要視され、製造における様々な品質管理の場面でもデジタル技術がますます活用されてきています。従来主軸となっていた統計的品質管理（SQL）だけではなく製造工程におけるデータを機械学習により分析し、効率化していくマネジメント方法も様々な場面で用いられるようになってきました。

簡潔にまとめると、品質管理は品質の欠陥を発見することを目的とし、品質保証は欠陥の発生を防止することを目的としています。

♦ 品質管理 | Quality Management 

品質管理とは、製品の生産やサービス構築の際に、その品質に問題がないか検証・保証することです。製造の現場において、製品の品質だけでなく生産体制や工程における管理を担っています。何か欠陥が見つかった場合に、その原因の調査と特定を行い生産工程のどこで起きてしまったかを見直します。

♦ 品質保証 | Quality Assurance

自社製品の品質が規定値を満たしているか確認して、納品後も買い手に安心や満足を保証する活動。原材料の安全性や製造工程での安全基準が満たされているか、製品の安全基準が満たされているかを確認します。近年は世界中の製品の標準化を定めている国際標準化機構（ISO）の規格に準拠していることで国際的に設定された基準に準じていることを保証しており消費者の安心にもつながります。

・リスク分析・管理スキル

不足の事態に備えて、データをもとに分析し事前に起こりうる問題を未然に防ぐスキルが必要になります。また、問題が起こった際に何が原因なのかを冷静に分析し、改善する問題点を特定していくスキルが求められます。QC7つの道具を使った相関関係や原因特定の分析スキルは、品質管理において求められる傾向にあります。

・コミュニケーションスキル

自動車関連の製品における製造工程では、様々な部門とのコミュニケーションが発生します。内部のエンジニアだけでなく、外部からの調達先やロジスティックスなどと円滑にコミュニケーションを図るスキルが必要です。

・品質マネジメントシステム(ISO9001)に関する知識

顧客に提供する製品・サービスの品質を継続的に向上させていくことを目的とした品質マネジメントシステムの規格で、自動車業界に関わらず品質管理において押さえておきたい知識です。