ライドシェア反対!の車を見て| MaaSコラム Vol.3

皆様、こんにちは。Turnpoint Consultingの川崎でございます。

先日お昼ご飯を買いにスーパーマーケットに行っていたのですが、興味深いものを見たのでシェアします。

それがこちら↓

交総連(ハイヤー・タクシー、自動車教習所、観光バスの労働組合) 演説カー

自交総連(ハイヤー・タクシー、自動車教習所、観光バスの労働組合)の演説カーです。主にライドシェアに反対する声明を発表しながら大通りを走っていました。
曰く、ライドシェア(所謂白タク行為)は日本では禁止されているが、現在完全解禁しようとする動きが活発になっている。しかし、ライドシェアが解禁されている海外では目的地に着かない・社内で性暴力が起こるなどトラブルも発生しており、公共交通として成立しない。安全な輸送のためにはライドシェアを日本で合法化するべきではない、ということでした。

ライドシェアに関しては今年の4月に一部解禁が非常に話題になりましたね。
最近議論が活発になってきていますが、立場や考えによって本当に千差万別な反応をされる方が多いと思います。

そもそもライドシェアについてよく誤解されることがあるのですが、ライドシェアには「ライドプーリング」と「ライドヘイリング」の2種類があります。

ライドプーリングとは、日本語で言ういわゆる「相乗り」です。国内ですと、NearMe社や、ちょうど今日(!)解禁されたGo株式会社のGo Shuttleなどが有名だと思います。(新事業展開、おめでとうございます!)
これはどちらかというとオンデマンド交通に近い形で、ある目的地に行きたい方何人かをマッチングし、それぞれ指定の場所で拾って相乗りしてもらう、という形が一般的かと思います。これは現行の運行法上、特に制限はありません。

上記の自交総連の方々が反対されていたのは後者の「ライドヘイリング」、所謂白タク行為のことでしょう。日本の現行法上ではタクシーではない一般の車かつ第二種免許を持っていない個人が有償でタクシー事業を営むことは禁止されています。

今年の4月にそのライドヘイリング行為が限定で解禁されました。(ここからライドシェア表記とします。)
現状、日本では、

①タクシー事業者が管理する自家用車でのライドシェア
②自家用有償旅客運送制度を利用した行政主導のライドシェア

が展開されており、配車アプリなどの企業が運行するのがスタンダードになっている海外とは一線を画した制度が整備されています。

地方の過疎化に伴い、交通弱者の方々の足となる旅客輸送業界の衰退や高齢化などを見ていると、現状の仕組みを変えて今あるリソースを活用する、という案は取り入れられるべきかとは思いますし、逆に言うと自交総連のような立場の方々が現在のビジネスを存続させられるのかという危機感を持ち反対を出すのもまた非常に自然な流れだと思います。

そもそもタクシー会社の運転手の皆様は第二種免許の取得が必須ですし、タクシー会社の研修などを受けているでしょうから自分自身の仕事に誇りもあるでしょうし、そこに急に二種免許も持っていない「素人」が入ってくるということに拒絶反応を示すのも頷けます。

しかし、タクシー業界も高齢化などの問題によって公共交通としての在り方を見つめ直さなければならない時期に差し掛かっているということもまた、事実だと思います。
(現状、3割以上のタクシー運転手の方々が70代というデータもあるようです。)

その中でライドシェアという制度が入ってくること自体は個人的に賛成であるかなとは思いますが、確かに自分自身が乗るとなると怖いな…と思うのも事実ですし、乗車時のトラブルをどう回避するのか、現行のタクシー業界の存続とどう折り合いをつけていくのかについてもしっかりと考えなければならないと思います。そのあたりがこれからも政府がどう規制緩和と現行の業界との折り合いをつけて動いていくのか、動向についても見守っていきたいと思います。

ライドシェアについて考えましたが、最近、近未来SFの小説で自動運転のタクシーが一般的になった世界の話を読み、ライドシェアが日本で一般的に広まる前に、もしかすると自動運転タクシーなどが出てくるのが先になるのかもしれないなぁ、なんて思ったりもします。

皆さんはライドシェア、体験されましたか?わたしはまだ未経験なので、どこかで乗ってみたいと思っています。ご経験がある方、どうでしたか?ぜひ教えてください。

ちなみに、どうでもいい話ですがその日のお昼ご飯はガパオライスでした。
成城石井のガパオライス、野菜がたくさん乗っていてとてもおいしかったのでおすすめです。

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