2023年3月28日 外資自動車メーカーの市場シェアを探る
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海外ブランドの自動車は、海外メーカーや代理店契約を結んでいる輸入車インポーターによって日本市場に流入し、ディーラーや販売店によって販売されています。外資自動車メーカーで働く上での、今後の市場予測や必要な英語力、輸入車インポーター一覧をまとめています。
♦ 日本市場での輸入車市場シェア
日本市場は圧倒的に日本車がシェアを占めていると言えます。
2022年の日本全体での新車販売(4輪)は420万1,262台(前年444万8,288台)でした。そのうち輸入車メーカー四輪車の販売は242,226台(前年259,752台)となっています。全体で見ると輸入車の割合は、わずか5.7%となっています。
海外市場での輸入車メーカーの割合
日本市場での輸入車メーカーの市場シェアが分かったところで、海外市場についてはどのようなシェアになっているでしょうか。2021年のデータを参考に今回はアメリカ、ドイツ、韓国の市場をみていきます。
♦ 北アメリカ市場
アメリカにはその広大な土地柄、日系企業も含めて多くの海外自動車メーカーが生産工場を構えており、輸入車メーカーのシェアの割合は比較的高いと言えます。アメリカ国産メーカーは、General MotorやFordに加えて、Teslaが急成長しており、今後アメリカ国内市場でのシェアも拡大していくことが予想されます。
2021 年 アメリカ市場
Data : Cars & Light Trucks exclude Medium & Heavy Trucks
(参照:Marklinesをもとに作成)
♦ ドイツ市場
ドイツ市場ではVolkswagen、Daimler、BMW、Stellantis で市場の半数以上を占めるデータが出ています。Stellantisのシェア(11.2%)のうち半数以上(161,836台)はドイツのオペルブランドが獲得しており、やはり自動車産業大国としてドイツ車は国内でも人気が高いことが分かります。
2021 年 ドイツ市場
(参照:Marklinesをもとに作成)
♦ 韓国市場
韓国市場も非常に興味深いデータが出ています。Hyundai 、KIAが合わせて75%近くの市場シェアを獲得しており、韓国での国産車人気は日本と似ており非常に高いことが分かります。
一方で輸入車メーカーではドイツブランドが圧倒的な人気を誇り多くのシェアを獲得しています。
2021 年 韓国市場
<注記>
- GMとRanultは韓国に生産工場を構えています。
- Renault KoreaはNissan Rogueを含むデータとなっています。
- GM KoreaはCadillacを除いたデータです。
(参照:Marklinesをもとに作成)
♦ 最後に
日本市場における外資自動車メーカーの販売(登録)台数の推移やブランド別のシェアに加えて、アメリカ、ドイツ、韓国市場でのそれぞれの国産メーカーと海外ブランドの割合を見てきました。
海外ブランドの自動車生産工場が世界中の様々な拠点に置かれている一方で、日本市場は外資自動車メーカーの生産拠点は一つもありません。日本は国産メーカーの人気が非常に高い市場であり、海外自動車メーカーにとってはチャレンジングかつユニークな市場であることが分かりました。
電動化に急速に力を入れている海外自動車メーカーも増えてきています。今後は、日系自動車メーカーの電動化の動向に加えて、外資自動車メーカーの電動車がいかに日本市場でシェアを伸ばしていくかにも注目です。
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各自動車メーカーも急ピッチで電動化を進める中で、新しく電気自動車を製造する新興メーカーが海外市場ではいくつか出てきています。勢いのある新興電気自動車メーカーをいくつかピックアップし特徴を挙げていきます。
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