2024年6月14日 【転職×トレンドニュース】中国 v.s. EU?!EV市場における中国の活躍とEUとの攻防まとめ
こちらのページでは、世界中の自動車およびモビリティ市場におけるトレンドのニューストピックを紹介いたします。
自動車業界の興味深いニュースを国内外問わず厳選し、内容を翻訳・要約して紹介していきます。業界の最新情報のキャッチアップの際にお役に立てましたら幸いです。
Jun 14, 2024 By bloomberg
1.中国、新車販売で米国を初めて抜く-日本勢は23年も首位堅持
中国の自動車メーカーが2023年に初めて年間販売台数で米国ブランドを上回り、世界の自動車市場の勢力図が変化していることが示されている。中国最大の電気自動車メーカー、比亜迪(BYD)を含む中国ブランドは昨年1340万台の新車を販売し、フォードやシボレーなどの米国ブランドの1190万台を上回った。調査会社ジャトー・ダイナミクスが発表した。
日本ブランドが世界で最も多くの自動車を販売し、欧州ブランドが続いている。中国メーカーの市場シェアは中東、ユーラシア、アフリカで急上昇し、上海汽車集団や吉利汽車は欧州やオーストラリアなどの成熟市場にも進出している。
ジャトーのアナリスト、フェリペ・ムノス氏は、従来の自動車メーカーの怠慢が高い自動車価格をもたらし、消費者をより手頃な中国メーカーに向かわせたと指摘している。中国メーカーは自国市場の価格競争を背景に、輸出に注力している。
米テスラのイーロン・マスクCEOは、中国勢が他のメーカーを「ほぼ破壊する」と警告した。欧州連合(EU)が中国からの輸入EVに追加関税を課す動きを見せる中、BYDなどは新興国市場での事業拡大を考えている。
昨年の欧州で販売された完全EVのうち、中国ブランドは9%弱を占めた。世界で昨年最も売れた車はテスラのSUV「モデルY」で、トヨタのSUV「RAV4」を上回った。日本ブランドはベストセラーモデル10車種のうち7車種を生産した。
June 3, 2024 by the Japan Times
2.EU、中国のEVに関税を課し、北京から反発を受ける(原文タイトル:EU hits Chinese EVs with tariffs, drawing rebuke from Beijing)
欧州委員会は7月から中国製電気自動車(EV)に最大38.1%の追加関税を課すと発表した。これは過剰な補助金に対抗するためで、BYDには17.4%、SAICには38.1%の関税が課される。
欧州の自動車メーカーは、中国からの低価格EVの流入に苦しんでおり、EU市場でのシェアは2019年の1%未満から8%に増加し、2025年には15%に達する可能性がある。価格はEU製モデルより20%低いとされる。
中国外務省は、この関税を「典型的な保護主義」と非難し、必要な措置を講じると述べた。中国乗用車協会(CPCA)は、EUの暫定関税が予想内であり、大きな影響はないとした。
欧州委員会は、調査に協力した企業には21%、協力しなかった企業には38.1%の関税を課す。最終決定は11月2日までに行われる予定。
フォルクスワーゲンは、関税の負の影響が大きいと警告し、BMWもこの関税は「間違った方向」と述べた。
June 12, 2024 by 東京新聞
3.ドイツはEU追加関税に反発 対中貿易摩擦を懸念
ドイツのウィッシング運輸相は12日、欧州委員会が中国製電気自動車(EV)に追加関税を課す方針に反対を表明し、「貿易戦争や市場の分断ではなく、EU内の競争拡大や市場の開放を通じて、自動車は適正な価格になるべきだ」と述べた。ドイツの自動車企業は中国との貿易摩擦を懸念しており、ウィッシング氏も以前から追加関税に反対していた。ドイツ政府報道官も記者会見で「EUと中国が友好的な解決に達することを望む」と述べ、これ以上の貿易摩擦を避けたい意向を示した。
June 14, 2024 by bloomberg
4.中国、EUへの報復は限定的か-米欧の連携強化避けたい習主席
欧州連合(EU)が中国製電気自動車(EV)に最大48%の関税を課すことを発表したことに対し、中国は限定的な報復措置を取る可能性が高い。中国商務省と在EU中国商工会議所(CCCEU)はこの発表を強く非難した。中国政府が強い対応を取ると、欧州が米国との連携を強めるリスクがあるため、中国は貿易戦争を避けるため慎重な姿勢を見せている。
中国は既に米国との貿易摩擦が激化しており、EUの関税引き上げに対しても過剰な反応を避ける意向だ。報復措置としては、チーズや豚肉などの農産品に焦点が当てられると予想される。また、中国は欧州の酒類への調査も開始している。
EUの追加関税が中国の自動車メーカーに与える影響は限定的と見られており、中国の自動車メーカーは欧州での工場建設を急いで進めている。中国政府は交渉の余地があるとし、EUとの対話を続ける意向を示している。